最強の漫画

アメリカにいた頃は、日本の漫画が読みたくて読みたくて仕方なかった。

 

今だと、アメリカでも日本の漫画が簡単に手に入るらしいですが、俺がいた頃は、日本で発売されてからかなり時間が経たないとアメリカに入って来なかった。

 

しかも、値段は日本の1.5倍から2倍もする。

 

いつも母親に、「おばあちゃんに頼んで日本から送ってもらうからもう少し待ってなさい。アメリカの漫画は高すぎる」と言われ、日本の発売日からかなり遅れてしか読むことができなかった。

 

ちなみに日本の漫画はアメリカでも大人気だ。

 

ドラゴンボール幽遊白書スラムダンク、ナルト、ONE PIECEなど有名なものはもちろん、俺の友達の中には、ZETMANを何回も繰り返し読んで日本語をマスターしたやつもいた。

 

木多康昭大先生の泣くようぐいすを英語に翻訳してクラスの友達に貸してあげたら大喜びされた。

 

やっぱり、おもしろいものは、日本だろうがアメリカだろうが関係なく面白い。

 

俺が読んだ数多くの漫画の中でも、最強だと言えるのが、何を隠そう...「こち亀」だと思う。

 

なぜこち亀が最強なのか?

 

まず、これだけ長く続いていることが何よりの証拠です。

 

最強でなければこれほど長く続くわけがない。

 

そして、「一話完結」であるところ。

 

どの話から読んでも話が分からないということにはならない。

 

言い換えるなら、どの話から読んでも面白いし、楽しめる。

 

さらに、たまにめちゃくちゃマニアックな話がある。

 

サバゲ―、釣り、旅行、ゲーム、フィギュアetc...かなりマニアックな話がたくさんある。

 

こち亀の登場人物はもちろんフィクションで、中には両さんだからできる危険なこともありますが、こち亀のマニアックな部分などは本当に勉強になる。

 

そして、たまに感動する話がある。

 

時折両さんが真剣に人生論を語ることがある。

 

いつもはふざけてばかりいる両さんですが、本当に時折真剣になることがある。

 

それに感動しまう。

 

 

「狙え!!賞金首の巻」の冒頭部分です

 

 

両さんの弟: 母方の親戚のおじいちゃんの50回忌の事だけど...

 

両さん: 金次郎(両さんの弟)義理堅いのも限度を考えろよ

 

両さんの弟: 兄さんに挨拶してもらいたいんだけど...

 

両さん: だめだ!ラジコンの大会の日だ 行かれんぞ

 

弟: でも...両津家の代表として...

 

両さん: 几帳面すぎるぞ!100回忌もやる気か!? まったく自分も忙しいくせに

 

マリア: なんの電話ですの?

 

両さん: 50回忌の法事だってよ!

 

中川: 50回忌ですか...

 

両さん: 50年前に亡くなったじいさんだぞ...それに遠い遠い親戚だぞ 全く知らん!

 

「大体 墓石や位牌に死んだ日ばっかりズラズラ書きやがって あんなんどうでもいい」

 

「重要なのは生まれた日だろ!この世にその人間が誕生した事の方が重要なんだぞ!」

 

「母親が自分を産んでくれた日だからな 両親の願いや希望や夢が赤ちゃんいたくされてる訳だ」

 

中川: 確かに外国ではその人の誕生日を盛大に祝う習慣がありますね

 

両さん: それが自然は発想だぞ

 

「日本でも誕生日はプレゼントをもらう人と決めつけず、自分を改めて見直す日にすべきだぞ」

 

「麗子はいつだっけ?」

 

麗子: 7月7日よ

 

中川: 僕は12月24日

 

両さん: 両親が最初にくれた数字だからな!IDナンバーより大切にしたいもんだ

 

中川: なかなかがんちくがありますね!

 

両さん: 大体日本は一周忌・三周忌・七回忌・十三回忌など法事が多すぎる!!

 

「うちなど親戚が多いから毎月一回のペースで法事のイベントがスケジュールインされてんだぞ」

 

「死んだ人より生きてる人の事を大切にしろ!少しは!」

 

麗子: 行きたくないからそういう意見なのね

 

両さん: 違う!葬式だけで充分だってことだ!

 

「なぜ何度も親戚一同集めなければいかんのだ!」

 

「行く度悲しい思いをし気を遣い金を使い時間を使い暗い気持になる!ちっとも楽しくない!」

 

「一回でいいだろ!結婚式だって一回なんだから!」

 

「結婚式の一年後・二年後にまた親類一同集めるか?集めないだろう!」

 

「法事があまりに暗いんでな 明るくするため男5人でチアガール姿で出席したんだ」

 

「誰一人として笑わず何事もなかった様に法事が進行した あれは辛かったぞ!」

 

「日本人はユーモアがない!外人なら『オープリティーチアガール』と言って涙を流して笑ってくれたぞ」

 

「日本人が余裕がない」

 

「何か悩むとすぐ生きるべきか死ぬべきかだからな!」

 

「目の前がすぐ真っ暗になり二者択一だ!」

 

「悩んだらまず『生きる』モードに切り替えてからスタートだ! それからどう生きるかを探せばいい!」

 

「悩むと悪い方向にしか考えないからな!まずその方向を潰してから明るい方向へと進んで行かねばいかん!」

 

麗子:そうね

 

中川: 200億円の借金を背負った先輩の意見は重みがありますね

 

両さん: あったり前だよ!一億が一万円位の感覚になるからな

 

「死んじゃったらゲームができなくなるんだぞ 悲しいぞ!」

 

「このペースでいけば2000年には立体バーチャルバトルゲームが出るからな!」

 

「プロジェクター画面で3D1/1の「ときメモ」が出る可能性もあるぞ」

 

「自分好みのキャラクターが作れちゃったりしてな」

 

「未来はバラ色だぞ 楽しいことが山盛りだ!」

 

中川: プラス思考ですからね

 

両さん: マイナスな事がたくさん集まるとするだろ マイナスとマイナスをかけるとなんとプラスになるんだな!これが!

 

中川: 負の数の乗法ですね

 

感動するかどうかは分からないが、なかなか「なるほど」と思わせられる話だ。

 

こういう話は覚えておいて損はない。

 

笑いあり、涙あり、感動あり、勉強にもなる....

 

まさに最強の漫画こち亀