留学生の謎

僕がアメリカの高校にいた頃の話です。

 

僕はずっとアメリカに住んでいたので、小学校から高校までずっと現地の高校に通っていました。

 

日本人学校は遠くて通える距離になかったし、僕が住んでいた場所には、日本人のコミュニティーはなかったので、小さい頃からずっと現地人と一緒に遊んで、同じ学校に通っていました。

 

小学校の頃は、同じ小学校に日本人の友達がいて、その友達とは家族ぐるみの付き合いがあって、今でも時々連絡を取り合っています。

 

でも、アメリカにいた頃の日本人の友達と言えば、その人だけで、あとは、アジア人だとベトナム人とか中国人の友達、その他にもメキシコ人やブラジル人の友達と仲良くしていました。

 

もちろんアメリカ人の友達とも仲良くしていました。

 

僕が子どもの頃は、日本のアニメやゲームがアメリカでめちゃくちゃもてはやされていて、日本のアニメやゲームが理解できる僕は、アメリカの友達からも一目置かれていました(笑)

 

僕が通っていた時の話ですが、僕が高校二年生の時、日本から留学生が6人来ました。

 

日本の私立高校に通う高校二年生の6人が、英語を学んだり、アメリカの文化を学ぶという名目で、うちの高校に6週間滞在していました。

 

最初、僕は日本語を話せるという理由で、校内や学校の周辺を案内したりしました。

 

まあ、うちの高校の周りにはたいしたものもないし、学校も小さいので、案内はすぐに終わってしまいました。

 

留学生の6人は、学校の近くに住む生徒の家にホームステイしていました。

 

彼らが各家庭でどのように過ごしていたのかは知りませんが、彼らの学校での過ごし方にはすごく疑問を覚えました。

 

まず、現地の生徒と話そうとしないんです。

 

僕の友達は、日本に興味を持っている人が多かったので、留学生の6人に積極的に話しかけたり、質問したりしていました。

 

でも、僕のクラスメートは日本語が話せないし、留学生の6人は英語が上手く話せない。

 

言語の壁ももちろんあったと思います。

 

言葉が通じないというのは、想像以上に辛いものです。

 

でも、積極的に話しかけるクラスメートとは違って、日本人留学生たちは自分たちだけでグループを作って、日本語で会話するので、どうしても話しかけづらい雰囲気を出してしまっていました。

 

彼らは一応うちのクラスにいましたが、彼らの授業は英語の授業か中心で、同じ授業を受けるということはほとんどありませんでした。

 

休み時間やランチの時間にはうちのクラスに帰って来るのですが、その時も日本人同士で固まって、他の生徒とは話そうとしないので、現地の友達もできません。

 

僕はずっと疑問に思っていました。

 

せっかくアメリカに留学しに来たのにこの人たちはなんで現地の生徒と友達になろうとしないんだろう?

 

英語を上達させたいなら、現地の生徒と話せばいいのに、彼らはずっと日本語ばかり話しているのはなんでだろう。。。

 

もったいないなあ。。。

 

自分が知らない土地に来て、勝手も分からず不安だったとは思います。

 

最初の数日間だけ日本人で固まるのは分かります。

 

だけど、数日経てば現地の生活にも慣れてくると思います。

 

一週間経てば学校内での勝手も分かってくるし、ホストファミリーとも打ち解けてくるころです。

 

だいたい、アメリカの高校に通って、アメリカ人の家庭で生活して、せっかく英語環境にいるのに、英語を話そうとせず、日本人同士で固まって、日本語で会話する。僕には理解できません。

 

もし当時僕が日本の高校に留学したとしたら、日本の高校生の生活を知りたいと思うだろうし、部活にも入りたいと思うだろうし、何よりたくさん友達を作ろうと努力すると思います。

 

彼らがどういう経緯でアメリカの片田舎に来たのかは知りませんが、あの6週間で彼らが何を学んだのか、または何を感じたのか、僕には分かりません。

 

「郷にいては郷に従え」ではないですが、せっかく外国に来たのだから、現地の言葉を覚えたり、現地の人と交流するのは楽しいことだし、そうするのが当然だと僕は思います。

 

一緒に来た日本人の友達とは、日本に帰った後も付き合うことができます。

 

でも、アメリカのクラスメートとはもう二度と会えないかもしれません。

 

だからこそ、6週間という短い時間を大事にして、一人でも多くの友達を作ろうと思うのが普通だと思います。

 

でも、アメリカの普通は日本の普通ではないことが多いです。

 

うちの大学からも多くの学生がアメリカに留学に行きます。彼らは僕のところにアメリカのことをいろいろ聞きに来ますが、実際にアメリカでどのように生活しているのでしょうか。

 

半年や一年はあっという間に過ぎてしまいます。

 

是非日本人だけで固まらず、現地で友達をたくさん作って、アメリカというものを広く深く知ってほしいなあと思います。