田舎の警察と都会の警察

ごく普通の民間人が警察官と触れ合う機会はそうはないのだが、まさに忘れた頃にというか、ふと気を抜いた瞬間に、「えっ!こんなところに?」と思うような場所にいるのが警察官である。

 

警察官は、私たち普通の民間人が思いもしないような場所を見つけ出すプロである。

 

日本にはどれくらい警察官がいるのだろうか。調べたこともないし、いちいち調べようとも思わない。僕が思うに、警察官が何人いようと、事件が起こるときには起こるし、怒らないときには起きない。警察官の存在が犯罪の抑止になっているとは思えないし、小さいものから大きいものまで、数々の犯罪が警察の知らないところで起きている。

 

交通違反の取り締まりも、違反者を取り締まるのが警察の仕事で、違反しそうな(または違反しかけている)に注意をすることは滅多にない。

 

警察は、「あっ!あの車違反するな」と思われる車をじっと見ていて、その車が違反した瞬間にパトランプを鳴らし追いかけてくる。パトカーから逃げる車はそうそういないと思うが、逃げるつもりはなくても、前方に車を停められる場所がないため、しばらく走らざるをえない状況になると、他の車からは逃げているように思われる。

 

都会の警察官は、特に「違反した車を取り締まる」のに特化している。違反を未然に取り締まる努力は全くしない。違反した車を大声で怒鳴りつけ、追いかけるのが都会の警察の仕事だ。

都会の道路はどこもゴチャゴチャしていて、よほど注意して見ていないと警察がいるのに気づかない。

思いもしないようなところに隠れていて、黄信号から赤信号に変わる瞬間に交差点を突破しようものなら、後ろから猛スピードで追いかけてくる。ギリギリはアウトである。

 

田舎の警察は都会の警察に比べると少しばかり心が広いようだ。

以前東北の片田舎の交差点で、黄信号が赤信号に変わりかけていた時のこと。

交差点の隅に停車していたパトカーのスピーカから「信号変わります。信号変わります。交差点侵入やめてください。赤信号に変わります。停車してください」と注意を促す警察官を見たことがある。

こういう警察のほうがよほど良心的であり、信用できる。

 

違反した車を取り締まるのはもちろんだが、違反しそうな車に注意を促すのも、交通事故を未然に防止するためにかなり有効なのではないだろうか。