facebookを見て来ました

ちょっと前の出来事になるが、夏真っ盛り、猛暑のある日、田舎の大型スーパーで外国人観光客を見かけた。

三人組。女三人。

おそらく台湾人。

話しかけてみた。

やっぱり台湾人。

どうしてこんなド田舎に観光客が?

電車で三駅ほど行けば温泉や昔ながらの武家屋敷があり、観光客がいるのも頷ける。

でも、ここには何もない。

普通の日本人が住んでいるだけ。

あとは、山と川と畑と田んぼ。田舎に必要なものは全部そろっている。

なんでこんなところに観光客が?

その秘密はfacebookにあった。

台湾人はfacebookが大好きだ。

大好きというか、もはやfacebookがない生活など考えられないのだろう。

田舎の大型スーパーで見かけた台湾人旅行者も台湾の友人がfacebookに載せた写真を見て、ここに来ようと思ったそうだ。

綺麗な田舎の風景を自分の目で見てみたい。

普通の日本人を見てみたい。

自分も台湾の田舎出身。日本の田舎に興味がある。

ただ、彼女たちは地元の人と触れあうことはできなかった。

ここは本当にただの田舎であり、観光客が訪れるような場所ではない。

地元民の日常生活の中に外国人がいるのは異常であり、もちろん外国人とふれあいたいと望んでも、いきなり話しかけるわけにもいかない。

結局ここに来る観光客は駅で電車を降り、田舎道を歩き、自然の写真を撮る。

そのついでにスーパーに立ち寄っただけで、スーパーが目的でここに来たわけではない。

つまり、観光客がここに来てもお金を使う場所がない。

facebookを見て来てみたはいいが、何もすることがない。

車があれば話は別だが、あいにくこの町にはレンタカー屋などない。

こんな田舎に外国人観光客が来てくれるのは嬉しいが、その一方で、こんなとこにわざわざ来なくてもとも思う。

温泉やスキーみたいに外から客を呼べる何かがある田舎はまだいい。

何もない正真正銘の田舎はどうすればいいのだろうか。