ヤッさん名言

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原宏一さんが書いた『ヤッさん』という本。2012年に書かれた本です。書帯に書いてある「読んだ人の80%が電車を乗り過ごしてしまう面白さ!!」に魅かれて買いました。

まだ読み終わっていませんが、ヤッさんの名言を書いていきたいと思います。

(多分少なからずの写し間違いがあると思います。すいません)

 

近頃はインターネットや携帯電話で情報を集めた気になっている人間もいるけれど、本当のとっておきの情報というのは、結局、人間と人間が顔を突き合わせないかぎり出てこない。

 

 ヤッさんの台詞ではありませんが、確かにそうだなあ、と思ったので書きました。

 

 今はインターネットを使えばたいていのことは調べられます。電車の時間を調べたり、目的地までの行き方を調べたりするのなら、インターネットほど便利なものはありません。そういう情報は、一回きり。一度調べてそれで終わり、という類いのものが多いです。そういう情報なら、インターネットでちゃちゃっと調べれば済みます。

 

 でも、そうはいかない情報の方が多いのも確かです。

 

 例えば、おいしいレストランの情報。おいしいかおいしくないかなんて所詮実際に足を運んで自分の舌で味わってみなければ分かりません。インターネットには、他人の評価がずらっと書かれていますが、そういうのは「きっかけ」にこそなれど、「答え」にはなりません。結局は、労力を惜しまず、自分で「探す」しかありません。

 

 自分の欲している情報の種類と質によっては、インターネットはすごく便利なツールです。でも、インターネットに「答え」は載っていない、と私は思います。

 

味覚も体力と似たようなもので、若えうちから鍛えりゃ鍛えるほど研ぎ澄まされる。だから旨えもんは、旨え旨えってただ食うだけじゃなくて、ひと口ひと口に神経を研ぎ澄ませて大切に味わわなきゃ意味がねえ

 

 私もなんとなく分かります。昔私の祖母が言っていた言葉を思い出しました。

 

「美味しい料理にはね、美味しい理由があるんだよ。それと同じで、不味い料理にも、不味い理由があるんだ」

 

 良い食材を使いさえすれば美味しい料理ができるかというと、必ずしもそうではありません。良い食材を腕のいい料理人が手間暇かけて、情熱を込めて調理するから、食材が引き立てられ、おいしい料理になる。

 

 店の雰囲気というのも、料理の味に少なからずの影響を与えると思います。上手く表現できませんが、中華料理には中華料理の雰囲気があるし、すし屋にはすし屋の雰囲気があると思います。料理人や従業員の人柄も大切だと思います。いろんな要素が合わさる結果、良い食材を使ってもっと美味しい料理を作ることもできれば、食材の良さを殺してしまうこともあるのだと思います。

 

 そういうことに気を付けていないと、味の良し悪しは分からないのではないでしょうか。一つの料理を食べるのでも、味そのものだけではなく、アンテナを張り巡らし、いろんな要素に気づけるかどうか、つまりヤッさんが言うように、「ひと口ひと口に神経を研ぎ澄ませて大切に味わう」べきだと思います。

 

そもそも同情なんてもの自体が上っ面じゃねえか。身の上話ってのは逃げなんだ。

あたしはこんな身の上だから仕方ないって諦めたり、こんな身の上だから助けてって、だれかにすがりつくための逃げの道具でしかねえんだよ。

そんなもんに頼ってどうすんだよ。

若えうちから身の上話にすがる根性でいたら、一生身の上話に頼って生きていくようなやつになっちまうんだ。

だからいいか、後ろ向きな話はもうするな。もっと前向きな話をしようじゃねえか。

 

 最近、私の大学の図書館の司書さんから聞いた話です。

 

 ここ半年くらい、自己啓発に関する本が一番よく借りられているそうです。

 

 自己啓発本の中には、何百年、何十年の読み継がれているものもあります。そういう本の中には、確かにいいことが書いてあります。当たり前のように聞こえるけど、改めて活字で読むと、「はあ、なるほどなあ」と思わせられる言葉が並んでいます。

 

 でも、そんないいことが書かれている自己啓発本も所詮はどこかの国の知らない誰かが書いた本に過ぎないのです。所詮他人の意見なわけです。

 

 大学生はたくさん悩むことがあると思います。授業のこと、課題のこと、研究のこと、部活やサークルのこと、バイトのこと、友人関係のこと、彼氏・彼女のことなどなど、悩みは尽きません。

 

 友達に相談したり、親に相談したりできる時点で、かなり前向きな証拠だと思います。自分が今何を悩んでいるのか

自分で分かっている時点で、その問題はほぼ解決していると言っていいと思います。

 

 時には、人に言えないような悩みもあることでしょう。

死にたくなるほど落ち込むこともあるかもしれません。

悩みすぎてふさぎ込んでしまうこともあるでしょう。

 

 そんな時、自己啓発本は助けになってくれるでしょうか。

 

 私はそうは思いません。

 

 まずは、とことん悩むべきです。そして、自分で答えを出すように努力すべきです。何かつかめるまで悩みぬくべきだと思います。悩んで悩んで悩みぬいてみる。人の手を借りずに、まずは自分で考えてみる。でも、「自分は今悩んでいるんだ」などと後ろ向きに捉えてはいけません。

 

 「今自分は自分と向き合っているんだ」、「今自分は自分の人生について一生懸命考えているんだ」と前向きにとらえるべきです。後ろ向きになっていては、解決できる悩みも解決できなくなってしまいます。前進できないばかりか、後退してしまうかもしれません。問題がもっとややこしくなってしまうかもしれません。だから、常に前向きでいるべきなのです。問題を解決するのが目的なのですから、その目的を達成するために努力すればいいのです。後ろ向きでいては目標達成の邪魔になるだけです。とことん悩む。とことん前向きに。これを忘れてはいけません。そして、自分の頭で考え、自分で選択することを忘れてはいけません。自己啓発本を読んだり、他人に頼ったりするのは、どうしても答えが出なかった時だけです。

 

 まずは自分で。自分の悩みなんだから、自分で解決してやろうという意気込みがなければ、絶対解決できません。

 

 

書店で何となく手に取った本に「おっ!これはいい言葉だな」と思える文章に出会えると何だか嬉しくなります。

 

この『ヤッさん』は、いい言葉がたくさん詰まっているし、話も面白いし、とても読み応えのある本だと思います。

 

これからも、ヤッさんの名言を書いていきたいと思います。