自分で決めろ!!(クロカンより)

自分が本当にしたいことはなにかわかった時

ためらうな...動け!

 

だが...あんた見てたらうらやましくなった

好きなこと思い通りやってる

自分で自分を縛っておくことがバカらしく思えてきたんだ

俺もためらわずに動いてみるよ

 

なにをしたいのかそれを決めるのは他人じゃない

自分だ!

 

行きたくもない塾に行かされて、やりたくもない勉強をさせられている。

 

自分が行く高校も大学も全部親が決めてくれた。

本当は行きたい高校も大学もちゃんとあった。

高校ではロボット部に入りたかった。

昔から機械いじりが好きだった。だけど、いつの間にか勉強ばかりに時間を取られて、機械いじりをする時間をとることができなくなった。親の目を盗んでラジオを分解していたら、ものすごい剣幕で怒られた。「そんなことして何になるの?あんたは勉強してればいいの!」だって。僕はその言葉に従った。親の言いつけを守って、勉強に専念した。

親に言われて進学した高校にはロボット部はなかった。そのことを親に話した。「うちの高校にはロボット部がないんだよ。残念だなあ」って。そしたら、「何言ってるの!部活なんてやる暇はないの。この前新しい塾申し込んできたから、今まで通っていた塾と合わせて毎日塾に行くのよ。そして、有名大学に入るの。分かった」って言われた。

学校は全然面白くなかった。勉強ばっかりしていたから友達の作り方も分からない。周りの友達はみんな楽しそうにお喋りしているのに、僕はその輪の中に入っていけない。話すことがないから。部活もしてないし、趣味もない。これまで勉強しかしてこなかったから。

塾も行きたくなかった。でも、塾をさぼったら親に叱られる。だから、仕方なく毎日塾に通った。段々勉強が嫌いになった。成績もどんどん下がった。そしたら、塾二つに加えて、家庭教師までつけられた。

そんな時、新しい先生が学校に来た。

その先生は、進学校の先生なのに、茶髪で無精ひげを生やしていた。時々サングラスをかけて授業をする。その人は英語の先生なんだけど、授業はめちゃくちゃ面白い。言葉遣いは悪いけど、話の内容は他のどの先生より面白かった。

僕は思い切ってその先生に相談してみた。

そしたら、思いっきり笑われた。

「俺に相談しに来る勇気があるのに、どうして実の親に文句の一つも言えないんだ?ははは」って。

「塾なんてさぼっちまえ。行く必要なんかない。これから放課後俺のところへ来い。遊びに連れて行ってやる」とも言われた。

次の日から、僕は塾に行かなくなった。そして、先生と遊びにいくようになった。カラオケに行ったり、ゲーセンに行ったり、先生にビリヤードやダーツを教わったりした。今までそんなことしたことなかったから、全てが新鮮だった。毎日が凄く充実しているように感じた。

でも、先生が伝えたかったのはそんなことじゃない。

毎日先生と遊んで楽しかったけど、「自分は本当にこれでいいのか?」と考えるようになった。

先生にも聞かれた。「お前やりたいことはないのか?」って。

「実は、ロボットを作りたいと思っていた」って伝えた。

先生は、「じゃあ、作ればいいじゃないか」って言った。

でも、僕はロボットを作ったことなんてないし、作り方も分からない。

でも、その頃の僕は昔の僕とは違った。

自分の頭で考えるようになった。

「自分は本当にこれでいいのか?」と考えるようになった頃から、頭の中で自問自答するのが癖になった。それが面白かった。生きていることが実感できた。自分の頭で考えるのって楽しい。そう思えた。

とりあえず理科の先生のところに相談に行った。そしたら、別の先生を紹介してくれた。技術の先生だった。先生は自分で小さなロボットを自作するのが趣味だった。

その先生に顧問になってもらい、「ロボット部」を立ち上げた。

最初は先生と二人きりだったけど、半年後には部員が4人に増えた。

僕は、もう以前の僕とは違う。

ロボット部を作って、塾もやめて、家庭教師も断った。

親には物凄く怒られたけど、それでいいんだ。

もう誰かの言いなりになって生きるのはやめた。

自分の頭で考えて、自分で決めるんだ。

親に認めてもらうために、勉強もしっかりやる。

そして、有名大学の工学部に入る。そこでロボットを研究する。

親にそう話したら、「そうか。頑張れ」って言ってくれた。

僕はもう迷わない。

自分の夢に向かって、自分の足で歩くんだ。