ちょっとだけ外交の話でもしよか

みんな、台湾の歴史って学んだことありますか?

 

台湾って日本の隣にある国で、昔日本が統治していたことがある国でもあって、なんや知らんけど「親日国」って言われてる、くらいしか知らんのちゃう?

 

以前大学の授業の一環で、高校の歴史教科書を分析する課題に取り組んだことがあるんやけど、まあ、台湾のことはほんの少ししか載ってなかったわ。

 

50年も統治していたにも関わらず、そこに至るまでの経緯とか、日本統治時代の台湾のこととかに関する記述が本当に少ない。

 

恐らく日本の高校生が台湾の歴史に興味を持って詳しく勉強したいと思ったら、本屋とか図書館に行って、台湾の歴史を専門に扱った本を読むしかないんちゃうかな。

 

だって、学校で歴史を教えている先生も、教科書に出てないことは教えないんでしょ?

 

教科書に出てないことは知らないんでしょ?

 

だったら、自分でそれ用の本を探して自分で読んで勉強するしかないわな。

 

まあ、歴史の授業では中国の歴史もやらないかんし、ヨーロッパとかアメリカの歴史もやらないかんし、もちろん台湾の歴史を中心にやるっていうわけにはいかんのは分かる。

 

でも、自分で自分のことを結構国際的な人間だと思ってる日本人が、アメリカで台湾人に会って、「えっ!?タイですか?サワディカ~」と言ったりするんです。

 

俺は別に台湾が大好きとかそんなんちゃうけど、歴史っていうのは事実を学べばいいわけで、事実を学んだ上で、いろいろな国の歴史認識のあり方を知っていけばいいと思ってる。

 

歴史の軸となる事実を知らずに、ある国のある団体の極端な歴史認識をネット上で仕入れて、その薄っぺらな知識を用いて誰かを攻撃したりするんは、まあ、どっかの国のどっかの団体の人がやってることと変わらんわな。

 

歴史認識とか事実うんぬんより前に、台中関係基本的なこと(例えば、中国は台湾を自国の一部だと主張していて、台湾には台湾は台湾だと思っている人が多いこと)、台湾の場所、台湾人は中国語を話すことetc...常識として知っているべきことも知らないで、英語だけできても、それは国際人とは言えないですよ、ってこと。

 

まあ、以前もよく分からん、自分を西洋人の顔に見せたいのか何なんか知らんけど、ものすごい化粧をして、これまた西洋人みたいな服着て、「私英語ペラペラです」オーラを醸し出してる日本人の女が、「ああ~台湾ねえ。象とか乗れるよね!?インドの近く!?」って誇らしげに言っているのを聞いて、ほんまにアホ丸出しやなと思わずにはいられなかった。

 

そんなやつが何かちょっと英語できるからって、留学生にモテていると勘違いしたり、英語ができない一部の学生から憧れの目で見られていることがちょっと信じられへんわ。

 

あのなあ、英語がちょっとばかし下手でも、知っているべきことをちゃんと知っていて、その上で自分の意見が言えたり、相手の意見をしっかり理解して、反論できたりすることのほうがよっぽど大事やと思う。

 

ちょっと前置きが長くなりすぎたわ。

 

台湾は「中華民国 Republic of China (ROC)」って言うんやけど、中華民国のパスポートを見せて国連のヨーロッパ本部を見学しようとした台湾人が中に入るのを断られたっていうニュースが台湾人を中心にFBでいろいろ言われている。

 

スイスのジュネーブにある国連ヨーロッパ本部を見学しようと思って、中華民国のパスポートを提示したんやけど、受付の人に「台湾のパスポートでは入れない。台湾は中国の一部分なんやろ!?だったら中国のパスポートを持ってこい」と言われ、見学を拒否されたらしい。

 

以前は、中華民国のパスポートを見せれば見学できたらしいけど、規則が変わってしまったらしい。

 

国連の見解としては、「台湾は中国の一部であり、従って(中華民国のパスポートを持っている)あなたは中国人ってことになる。だったら、中国のパスポートを見せてください。そしたら見学することができます」ということらしい。

 

見学を拒否された台湾人の怒りは相当はもので、「私は台湾人です。台湾のパスポートしか持っていません。台湾は中国の一部ではないし、私は自分を中国人だと思ったこともない。私は台湾人だから、中国のパスポートや中国の身分証を持っているわけがない。これは差別ではないですか」と怒っている。

 

他にも、ニューヨーク駐在の台湾人国連事務員が今年の上半期から、中華民国のパスポートを見せても国連本部に入れない状況が続いているんやと。

ということは、中華民国のパスポートでは、国連本部で公務ができへんってことらしい。

 

じゃあ、台湾の外交官はどうしてるかっていうと、中華民国のパスポートともう一つなんか身分を証明できる書類を提示して初めて国連本部に入ることができるらしい。

 

台湾としては、友好国であるアメリカや日本を通して、状況を改善するため交渉しているところらしいが、いやはや今後どうなるだろうか。

 

台湾は1971年に国連を脱退して、それから国連は台湾を国として認証していない。その理由はもちろん中華人民共和国(中国)を承認したからだ。

 

日本も台湾を正式な国とは認めていない。

 

日本が中国を正式に認証した時、台湾とは手を切ったわけだ。

 

今どうなっているか詳しくは知らないが、以前台湾人留学生の在留カードには、出身地「中国」と記載されていたらしい。

(今は、ちゃんと「台湾」と記載されているらしい)

 

うちの大学にも、中国人留学生がたくさんいて、以前ある中国人留学生が、日本の国立大学の食堂に台湾の国旗があるのはおかしいと学長に直接文句を言ったことがあるらしい。

その結果、学食から台湾の国旗がなくなった。

 

難しい話だ。

 

世界中のほとんどの国にビザなしで入国できる日本人には分からないだろう。

 

国連から、世界の国から国として認められていない台湾の立場。

 

台湾が国連から再び承認され、国連のメンバーに戻ることができればいいのだが、もちろんそれは叶わない。

 

中国と台湾の関係が鍵なのだが、よくなっているのか、悪くなっているのか、それとも平行線のままなのかよく分からない。

 

私たちにできることはそれほど多くないと思う。

 

私たちにできることと言ったら、事実を正しく認識することぐらいなのかもしれない。