葬式

人の死って不思議なもんやなぁ。

人が死んだら通夜をやって葬式をする。

芸能人みたいな有名人になると通夜とか葬式に多くの参列者が訪れる。

会社の社長なんかもそう。

有名な人は通夜や葬式の規模もデカい。

あと、これは映画で見ただけやけど、ヤクザの葬式もすごい。

なんか、普段は敵同士で睨み合っとる組の人も焼香しにくるらしい。

葬式の規模もかなりデカくなるらしい。

めちゃくちゃデカい葬式をやる人もいれば、家族葬みたいな小さい葬式をする人もいる。

別に普通の人やから家族葬みたいな小さい葬式をやるわけやないみたい。

訃報が新聞に載るような人でも親近者だけの葬式をすることもある。

全国的には無名でも地方の中小企業の社長とか地元の名士みたいな人でもかなり大規模な葬式をやることもある。

まあ、こんなことばっかり書いとると、葬式は規模が重要やって言っとるように聞こえるかもしれんけど、それは違うと思う。

うちの婆さんもこの辺ではけっこうな有名人やったし財産もかなり残したけど、婆さん自身の意向で家族葬にした。

遺書にそう書いてあったらしい。

参列者は親戚だけ。20人くらい来たんかな。

俺は婆さんの孫で、かなり可愛がってもらったから、代表で挨拶みたいなもんさせてもらった。

最初は即興で喋ったろかと思ったけど、周りに反対されて、徹夜で原稿書いた。

けど、半分くらいしか読めんかった。

初めてあんな大勢の人の前で泣いたわ。

泣いとる俺の姿見て他の親戚も泣いとるし、あれには参ったわ。

人が死ぬのは悲しい。

知っとる人なら本当に悲しい。

お世話になった人ならもっと悲しい。

好きな人ならもっともっと悲しい。

婆さんにひ孫の姿見せたろ思ってたから、それが果たせず残念。

この前婆さんの四十九日の法要があったんやけど、あれはおもろかった。

葬式の時は重苦しい雰囲気やったけど、法要の時はみんな明るかった。

婆さんの思い出話して、婆さんの若い時のこととかもいろいろ聞けたし、俺も楽しい時間を過ごせた。

何よりも、皆が口を揃えて、えぇ婆さんやったなぁ、って言っていたのが嬉しかった。

結局、生き方。

どんな生き方したかや。

そう思った。