別れ

いづれの道にも、わかれをかなしまず。

 

人生は別れの連続である。だが戦いは一生、途切れることなく続く。

 

よって求道者たる者、兵法者たる者は、決して別れを悲しんではならない。

 

そういう心得だ。

 

長い人生の間には、決別したかつての親しき者が、敵として再び眼前に現れる、などということもないとはいいきれない。

 

そんなとき、かつての想いを心に残していれば、その者は斬られよう。

 

だが別れの都度想いを断っていれば、その者は逆に斬ることができよう。

 

唯一所に止めぬ工夫、是れ皆修業なり。

 

何かに囚われていたら、心の自由は奪われる。

 

何ものにも束縛されない心。

 

それこそが兵法者の、会得すべき精神のありようなのだ。

 

これは武士道セブンティーンからの抜粋。

 

「別れ」

 

私も引っ越しの度に別れを経験してきた。

 

仲のよかった友達と別れるのは辛かった。

 

毎週木曜日一緒にゲームをした友達。

 

週末リトルリーグで一緒に汗を流したチームメイトたち。

 

喧嘩して泣かせてしまった友達。

 

密かに想いを寄せていた女の子。

 

etc...

 

大学生になっても別れは続く。

 

同期の皆とは4年間一緒だが、卒業したら離れ離れになる。

 

留学生は半年または一年で自分の国に帰っていく。

 

せっかく仲良くなった留学生もいずれうちの大学を去っていく。

 

別れの度に心を痛めていたらいつか心がつぶれてしまう。

 

二度と会えないわけではない。

 

またどこかで会えるかもしれない。

 

何度も自分に言い聞かせるのだけど、別れに慣れることはできない。

 

でも、やっぱりそう思うしかないのだ。

 

またどこかで、いつかきっと会える。