人生初のアルバイト

僕の人生初のアルバイトは森の木の枝刈りだった。

 

ハワイに住んでいた頃、近所に住んでいた太ったおっさんに突然雇われて、おっさんの家の森の木の枝刈りをすることになった。

 

そのおっさんはうちの父親の友達で三人でよく釣りに行く仲だった。

 

ある日学校からの帰り道運悪く(!?)そのおっさんに出くわしてしまい、おっさんに雇われることになってしまった。

 

おっさんは森を所有してはいたけど、その森を手入れする道具は何一つ持っていなかった。

 

自分の家のガレージから長い枝切りばさみとカゴを持ってきて、自分の背丈の何倍もある木の枝を切り落とすのが僕の仕事だった。

 

確か僕が11歳の頃の話。

 

おっさんに「時給」なんて概念はなく、一回働くと5ドルくらいくれた。5ドルが4ドルになることもあれば、4ドルになることもあった。「今度やるから」と言われて結局もらえなかったこともあった。

 

木の枝切り以外にも、庭の芝刈りや買い物代行などいろいろやった。

 

あのおっさんにはいろいろお世話になった。給料をもらえなかったことは何度もあったが、バーベキューに呼んでもらったり、おっさんが使わなくなったリールやルアーをもらったり、おっさんは僕にいろいろよくしてくれた。

 

おっさんのアルバイト以外にも、学校で作文代筆のアルバイトもよくやった。

 

エッセイの宿題が出た時に、僕が友達の代わりに書いて、確かA4一枚1ドルもらっていた。

 

あとは、近所のばあさんの手伝いとか、プール掃除とか、近所の子どもの宿題を手伝ったりとか、いろいろなアルバイトを経験した。

 

社会勉強になったかどうかはいまいちよく分からないけど、「一旦引き受けた仕事は最後まで責任持ってやる」ことを学んだ。

 

日本だと子どもがアルバイトなんかすると親がいろいろうるさいのかもしれないけど、別に悪いことをしているわけではないし、アルバイトをちょっとしたくらいで勉強の時間がなくなるわけじゃないんだから、ちょっとくらい子どもにアルバイトさせてもいいと思う。