田舎で暮らす
本、テレビ、ラジオ。。。
様々なメディアと日常的に接する私たち。
この世の中には情報があふれている。
一切の情報を遮断することはできるのだろうか。
そんなことを結構本気で考えてみるが、とてもできそうにない。
いっそのことどこかの孤島に行けば情報から逃げることができるのかもしれない。
私はよく知らないが、最近田舎に移住する人が増えているそうだ。
私の実家はかなり田舎です。
実家の近所は本当に田舎ですが、車で10分か15分くらい走ると、ちゃんとスーパーや病院もありますし、もう少し遠くまで行けば、大型ショッピングセンターもあります。
「都会の中の田舎」とまでは行きませんが、老後に田舎暮らしをしたいという人にとって、「田舎だが、果てしない田舎ではない」私の故郷は魅力的な場所なのだと思います。
ただ、都会にずっと住んでいた人は、どこか田舎をなめている傾向が見られます。
最近関西の方から引っ越してきた夫婦も、「ここ駅から遠くて不便ですね。車を使わずに生活しようと思っていたんですけど、やっぱり無理ですね」と文句を言っていた。
私は内心「そんなこと分かりきったことじゃないのか。田舎だからこそ車が必要なんだよ」と言ってやりたくなりたくなりました。
田舎をなめていると本当に痛い目にあいます。
私自身、田舎の高校からもっと田舎の大学に進学しました。
私の実家は雪が降ることはありませんが、大学のある場所では毎年これでもかというくらい雪が降ります。
「雪経験」が全くなかった私は、一年目の冬に早くも逃げ出したくなりました。
雪が降り始めて最初の2週間くらいは、皆雪が珍しくてはしゃいでいましたが、一か月も経つと本当に嫌になります。
雪は面倒くさい。
雪は冷たい。
寝る前に雪が降り始めて、朝起きて外を見てみるとまだ降っている。
授業が終わって寮の部屋に帰ると、玄関の前に雪が積もってドアが開けられない。
週末せっかく時間ができたのに、雪のせいでどこにも行けない。
そんな毎日が本当に嫌になりました。
でも慣れるものです。
人間は環境に適応できる。
それは本当だと思います。
文句を言う前に、自分の置かれた環境の中でどれだけ楽しめるか、その方法を考えるほうが賢明です。
私の母も結婚を機にこの土地に引っ越してきて、最初は「想像を超える田舎レベル」にびっくりしたそうです。
私が生まれる前の母は免許証を持っていなかったそうです。
でも、この「ど田舎」では、車なしでは生きていけません。
だから、免許証をとって、車を運転するようになりました。
みんなそうするんですよ。
これからずっと田舎で暮らしていかなければならないので、さっさと適応したほうがいい。
不便なところは確かにある。
でも、そこで暮らしていくと決めた以上、適応し、最大限楽しむ努力をする。
田舎に住むには覚悟が必要だと思います。
しかし、それ以上に、田舎に住み始めてからの努力が大切です。
田舎に住んでいる自分をイメージしてみると、農作業を楽しんだり、静かな場所で読書をしたりしながら、悠々自適な生活が脳裏に浮かぶかもしれません。
それらは全て田舎の「いい面」です。
田舎の「いい面」の裏には、「不便な面」が当然あります。
思った以上に寒いかもしれない。
家の近くにコンビニがない。スーパーもない。病院もない。
もしかすると「いい面」<「不便な面」かもしれません。
住んでみると「不便な面」ばかり気になって、「やっぱり都会のほうがいい」と思う。
でもそれでは遅いのです。
田舎に住むには「覚悟」と「我慢」が欠かせません。
楽しいことばかりではありません。
最初は苦労するかもしれません。
そこをぐっと我慢して、田舎を「楽しもう」と思えるようになって初めて田舎生活に慣れたと言えるのではないでしょうか。