英語メニュー

英語メニューがあるレストランは少なくない。

英語だけでなく中国語や韓国語のメニューまで揃えているレストランも珍しくない。
英語が分からない外国人旅行者も多いからだ。

日本語は平仮名、片仮名、漢字の三種類の文字を組み合わせて表記する。
日本語の読みをそのままアルファベットにしても、何がなんだか分からない。

親子丼をOyakodonにしたところでそれが何を指すのか分からない。

そもそも親子丼を多言語に翻訳する必要があるのかどうかというのもよくよく考えればよく分からない。

中国語が分かる旅行者なら漢字表記そのままでもいいかもしれない。

中国語が分からない旅行者にとっては、写真がないと分からないメニューも多いだろう。

でも英語メニューなんて本当に必要なのだろうか?

ニューヨークから来た留学生の友達がこんなことを言っていた。

ちなみに彼は9月に日本に来たばかりで、日本語はほとんど分からない。

「最初は日本語が分からないからアメリカにもあるマクドナルドとかバーガーキング、それから言葉で注文する必要がないなか卯とか富士そばばかり行っていたよ。でもこの前勇気を出して個人経営の小さな料理屋に一人で入ったんだよ。メニューを見ても何がなんだかさっぱり分からない。英語のメニューなんてないし、写真もない。店の人は英語喋れないし。でも、俺が外国人だからって特別扱いはしてくれなかった。めちゃくちゃ速い日本語でメニューについて説明してくれた。息子さんの電子辞書で調べてくれて。初めて学校以外で、日本人と話した。しかも60歳過ぎの顔が怖いおじさんと。最初は緊張したよ。何言ってるか分からないし。でもおじさんは優しかった。実はおじさんの説明を聞いてもオススメメニューがどんな料理か分からなかったんだよ。結局それはモツ煮だったんだけどね。味?めちゃくちゃ美味しかった。唯一自分で注文できたのはビールだけ。キリン一番搾り。隣に座っていたおじさんが教えてくれたよ。キリン一番搾りなんて言わなくても、生って言えばとちゃんとビールが出てくるって。そのおじさんと長いこと話したけど、やっぱり俺日本語が下手だから、ちゃんとした会話にはならなかった。でも、ああいう雰囲気はすごくいいと思う。本当の日本を知ることができる。日本人の暮らしを知ることができる。日本語の練習にもなる。その店にはあれから何回か行っているよ。今度一緒に行こうか」

外国人が何を求めているか。

考えさせられます。